「D.N.Effects」PR動画の制作の中で感じた『手作りの価値』の再考
「こんな小さいエフェクターを1台作るのに、作業工程こんなにあんの?」
工房にお邪魔させてもらい、撮影している時にそんな事を考えていたのを覚えてる。
自分自身、音楽に関わった経験なんか聴くことを除けば、小中学校の時の音楽の時間のリコーダーと、弟に貸してもらったギターをほんの少しだけジャカジャカ弾いた事あるくらいです。だから「エフェクターが何たるか」をあまり理解していないまま、撮影に来ていたから尚更そう感じたんだと思う。
そんなエフェクターを、職人が一つ一つ丁寧に仕上げていくのを見ている内に、気がつけば日が沈んでいた。それくらい長い時間をかけて、多くの工程を経て少しずつ作り上げられている事に、シンプルに驚愕した。
実は、このD.N.Effectsの代表の長山大輔さん(普段は「ながやん」の愛称で呼んでるんだけど。笑)は、個人的にプライベートでも交友のある人だからこそ少し意外だった。
普段は飄々として、熱心に物事に打ち込むタイプではなさそうなのに、このエフェクター作りに関して凄くこだわりを持っていて、箱に入れる最後の最後まで手に取る人の為に配慮をかかさない。撮影をしていたというのもあるけど、『職人としての熱意』を真正面から受け取る事ができた気がする。
今の世の中、多くのモノが自動化されて、量産化できる時代の中で、こうやってハンドメイドで一つのモノを時間をかけて作り上げるのは少し異質な様に思える。実際、日本でも職人の数も減ってきてる訳ですし。
彼は「ハンドメイドだから、機材一つ一つの音色は少しだけ微妙に違うんですよ。でもそれが個々の機材の個性なんです。」と言っていました。映画の世界でもよく使われる言葉で「味のある」という表現がある。機材や骨董品、絵画でもよく使われる表現だけど、多分そういう事なんだと思う。
「個性がある」からこそ愛せる。
手作りにはそういう魅力が詰まっていると思う。
これからも大切にしていきたい感覚の一つだ。
最後に映像の話を少しだけ
今回この映像を仕上げるに至って、一番こだわったポイントは全体の色味の部分ですね。その為に、今回からDavinci Resolveというソフトを導入して、カラーグレーディングを施しました。(今までPremiere Proで済ましていたので、Davinci Resolveの自由度と楽しさにビックリ。笑)
「機材の手作り」という男臭いテーマだったので、イメージとしては少し重厚感のある色合いで、でもそこまで息苦しくない様に表現する事を心がけました。ぜひ一度ご覧いただけたらと思います。